› ラムネ屋トンコ › 2015年01月

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2015年01月28日

第81回 昭和36年初冬 クリスマスと平和


高校1年の12月の初めに、教会の大人の礼拝に出ると、牧師先生が「戦争と平和」について話された。
礼拝後、そのことについての話し合いが持れるので、哲ちゃんと参加することにした。
夏のキャンプの時も、戦争についてのプログラムがあったが、小学科の壁画制作を手伝ったので参加できなかった。
教会の婦人会のおばさんたちが作ってくれた美味しいうどんを食べた後、話し合いが始る。
「1940年国策で、諸宗教団体は、統合と戦争への協力を要請された。日本基督教団が成立し、この教会も属する事になった。」
「1941年12月、日本軍が真珠湾攻撃し、アメリカが第二次世界大戦に加わり、教会も大変になった。」
「戦争中は、憲兵が監視するなか、国策に沿った礼拝をして、苦労して教会を守ってきたんじゃ。」
「赤紙か来て戦場に行ったが、言葉に言い表せないほど悲惨だった。戦争に反対すべきだった。」
「朝鮮戦争が起こり、その特需で日本が経済復興できたことに対して、複雑な気持ちじゃ。」
など、色々な話を聞けて、よかったと思う。
会が終ってから、哲ちゃんが話してくれた。
「戦後、ドイツの教会が、罪責告白をしたんじゃ。日本の教会の中にも、戦争責任を考えている人がおるんじゃ。」
「じゃけど、教会が『社会問題を取り上げるべきじゃない。』と言う人もおる。」
などだが、哲ちゃんや高校生会のおばちゃん先生も、戦争や平和について考えている事を知り嬉しかった。
又、戦争や平和について色々な考えの人がいることも分かり、それも良いことと思えた。
小学生の頃、私は戦争や原爆の怖さを知り、特に爆撃機の音に体が震える。
中学生になって、世界は戦争を繰り返し、今も今後もどこかで戦争が起こることを知り、ずっと不安があった。
話し合う場があることが、私に安心感を与えてくれたことに気付いた。
話し合いの後、クリスマス前なので、キャンドルサービス(讃美礼拝)とクリスマスキャロル(ろうそくを持って、讃美歌を歌いながら街中を歩く)の準備の讃美歌練習が始まった。
教会の人達は歌うのが上手で、ソプラノ・アルト・テノール・バスに分かれて合唱するのだが、ハーモニーがきれいで良い気分になる。
「あめにはさかえー、地にはやすきー」「平和の君なる御子をむかえ」など平和を願って歌いながら、クリスマスキャロルを行うことを聞き、私も参加する事にする。
昨年までの日曜学校のクリスマスはとても楽しかったが、今年は平和について考え意義深いと感じた。
又、高校生会クリスマス会は昨年より楽しく、クリスマスキャロルも素敵だった。
次の朝は、近所の美容院のおばさんに、年末の手伝いを頼まれていたので、はりきって出かけた。
昨暮までは、近くのチェーンストアーの店番に行っていたが、若いお姉さんが夏から店員として働いているので、手伝いは不要になったのだ。
高校生になると、友達とでかけたり、高校生会で少しだが活動の為のお金も必要になった。
母は、姉が京都の短大に行き仕送りで家計のやりくりが大変らしいので、小遣いの増額は望めないから、アルバイトは助かる。
お店の床に落ちた髪の毛を履き集めたり、パーマネントのクリップを手渡すのが主な仕事で、難しくなく楽しかった。
  

Posted by トンコおばあちゃん at 22:25Comments(0)

2015年01月14日

第80回 昭和36年秋 クラブ活動に誘われて


高校1年2学期、大学受験のための課外授業を、一回限りで休んだので、「サボってるなー。」と言う目で、数人の男子に見られた。
「進学をやめたのよ。」と言い続けていると、見られることも無くなりホッとした。
しばくして、隣の中学から入学したキヨさんとひろさんに、JRCのサークルに誘われた。
Junior Red Croos(青少年赤十字)の略で、以前被爆少女サダコさんに千羽鶴を折って送ったグループと分かった。
目の不自由な人達との交流のために点字や手話を学んだり、校内の芝生の手入れ、養護施設訪問など、週1回活動するようだ。
今で言う、ボランティア活動のようなものだった。
早速、放課後参加してみると、あいうえおの点字表と点字板が置いてある。
点字は、ローマ字の形式で表すので、目で見て読めそうだが、指で触って読むのは難しそうだ。
次の時は、手話の指文字のプリントを見ながら、すでに身につけたキヨさん達が教えてくれた。
点字も手話の指文字も、初めは新しく珍しいことなので、興味を持ったが、放課後学ぶのは疲れを感じる。
続けていると点字も指文字もどうにかゆっくりだと出来るようになったが、これでは実際役立たないと思うし進歩もしない。
校内の芝生に生えた雑草を抜いたり、水を撒く活動は好きで、他のメンバーよりも長い時間できて、気分爽快になる。
放課後疲れていても、好きな事は細かいことでも出来るが、苦手な事には集中できず身に付かないと、自覚する。
結局、課外授業も勉強が好きではないから、集中できないのだと納得した。
次に、卓球部に誘われた。
JRCの活動日は、休んでもいいらしいので、入部してみる。
準備体操の後は、先輩が打ち合っているのを、見学したりボール拾いをする。
それが終ると、新入部員は素振りの練習を始め、先輩が指導してくれる。
以前てっちゃんや靖くんと卓球をした時、上手に打ちたいと思っていたので入部したのだが、先輩が教えてくれるので、ありがたい。
大学進学を止め課外授業を受けないので、いろんなことが出来るのが良いな。
毎年、生徒会主導で秋の体育大会が行われるが、赤豹・白虎・青龍の3チームに分かれて、いろんな競技を競う。
数日前から、高さも横幅も10メートル位ある赤豹・白虎・青龍のとても大きな立て看板を、上級生が作り始めたので驚いた。
各競技には、希望者が出ればよいので、その点は嬉しい。
プログラム最後の盆踊りを、踊りの先生が教えに来てくれた。
体育大会の準備は自主的に行われ、私にとって高校生活の中では、クラブ活動以外で珍しく楽しい事だ。
当日は、各競技もだが、応援合戦では特に盛り上がった。
一つだけ気になったのは盆踊りで、しっかり覚えていないので、まごつくことが多く、自分も周りを見ていても楽しさに欠けたことだ。
その頃、母は近所の人と、日舞の先生から、盆踊りや民謡や流行歌などの軽い感じの新舞踊を習い始めた。
私も、親しいしずちゃんと一緒に、「さくらさくら」の踊りから習い始めた。
これが難しく感じないし気分も良いので、次の体育大会で楽しく踊れるためにも続けることにした。
私は体を大きく動かす事が好きだと、再自覚した。

  

Posted by トンコおばあちゃん at 09:24Comments(0)

2015年01月01日

明けましておめでとうございます


「ラムネ屋トンコ」を再開して、1年になりますが、ご愛読ありがとうございます。
11月に、風邪を引き体調をくずし、毎週の掲載が無理でした。
今年は、ぼちぼち続けて行こうと思いますが、今年中に高校卒業までと思います。
どうぞお付き合い下さいませ。
皆様のご健康とご多幸を、心よりお祈り致します。
ラムネ屋トンコ  

Posted by トンコおばあちゃん at 17:22Comments(0)