› ラムネ屋トンコ › 2016年01月

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2016年01月15日

第94回 昭和38年晩冬 卒業式の頃


2月の購買部の部屋は寒く、利用する生徒が少ないので、余計に寒さを感じる。
そんな時、「番長がけんかをして見つかり、停学処分になって、登校していない。」という噂が届いた。
二・三の3年生に確かめて、番長が登校していないことが分かった。
この前は煙草を校庭で吸って見つかり、今度も校庭でけんがになり、相手をぶん殴り見つかったらしい。
私が言った「隠れてするのは、よくないよね。」に、影響されたのかなと、脳裏に浮かぶ。
下校時、陣中見舞い(この言葉が適しているかどうか分からないが、他に適した言葉が見つからないので)に、彼の家に行くことにした。
すでに、2人の友達が来ていた。
彼は1週間の停学処分で、二度と暴力を振るわないと約束したそうだ。
4人で、しばらくマージャンをして帰宅したが、陣中見舞いが見つかると、お叱りを受けるかもしれないが、4人とも口が硬く他の人に知られることはなかった。
卒業式は3月の初めにあり、私は数名の2年女子と、受付係になった。
来賓の方を、控え室に案内するのだが、秋の体育大会で3年生全員が出場時、代替受付係になり手伝ったので慣れている。
2年生は、在校生代表で卒業式に参列するのだが、受付係の私達は遅れて参加した。
卒業式が終って、番長と卒業祝いをする約束をしていたので、番長宅に出かける。
友達も集まっていて、卒業祝いマージャンを始めた。
「番長が、女友達が出来てヤワ(柔・軟のことらしい)になったから、生意気な2年生をぶん殴れんじゃった。」
「オレらー、去年卒業生に殴られたから、今度はオレらーが卒業式の後、仕返しのつもりで2年生をなぐりたかったのにのー。」
と友達がつぶやいた。
去年の卒業式の後、数人の2年生と新任の男の教師が、2・3人の卒業生に殴られたと聞いた。
数人の2年生とは、今マージャンをしている彼らだと分かり、驚くと共に同情の気持ちなる。
悪い慣習が続いていたようだが、これからなくなると良いのになと思いながらマージャンを続けた。
終ってから、「お母さんの死を乗り越えて、ちゃんと卒業したから、お母さんは喜んじょってよ。」、と番長に伝えた。
番長は、仏壇に手を合わせて、報告したようだ。
卒業式の日の後、彼は高校生会に一度だけ参加したが、高校生会の卒業祝いの会には来なかった。
嬉子ちゃんに「番長、来なかったね。」と話しかける。
すると、「おばちゃん先生がね、『としこさんは、貴方が色々な試練を乗り越えて、ちゃんと働いてしっかり生きていくのを願っているのよ。』と親切心から、番長に話されたんよ。」と嬉子ちゃんが話した。
私は、違和感を感じながら聞き、同じ内容のことを思っていないし、そんな事は言いたくないと思った。
その頃、私は、他の人が言った事を、私の口から言わない事にしていた。
それは、私には聞き間違えや勘違いがしばしばあるので、不確かだから言わない事にしていたのだ。
その時「〇〇さんが、△△と言うちょったよ。」
「AさんがBさんのことを◇◇と言ってたよ。」など、決して言わないことを肝に銘じた。
そして、自分自身が、感じた事思った事だけを、話すことに決めた。
  

Posted by トンコおばあちゃん at 19:56Comments(0)

2016年01月01日

’16年元旦 あけましておめでとうございます



皆様のご健康ご多幸をお祈り致します。
また、反戦平和を願います。
高校卒業までを、ぼちぼち頑張ろうと思います。
よろしくお願いします。
ラムネ屋トンコ  

Posted by トンコおばあちゃん at 10:00Comments(0)