› ラムネ屋トンコ › 2015年11月

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2015年11月29日

第91回 昭和37年初冬 高校2年のクリスマス


11月末から教会では、緑のひいらぎのクランツにろうそくが4本立ち、クリスマスをむかえる雰囲気だ。
毎日曜、キャンドルサービス(燭火礼拝)とクスマスキャロルのための、クリスマス讃美歌練習の素敵なハーモニーが響く。
高校生会のクリスマス祝会のプログラム・歌・ゲーム・茶菓の準備など、皆で手分けして行うことになり、楽しい雰囲気だ。
一方、JRCでも、毎週木曜に通っている養護施設で、子ども達と一緒に、クリスマス会を開くことになり計画を立てる。
サイクリング気分で養護施設に行き、子ども達とバレーボール遊びや勉強を一緒にして、仲良くなった。
そこで、子ども達の希望もあり、クリスマス会を一緒にすることになったのだ。
教会のクリスマスは例年通りで、平和についての話し合いもあった。
朝鮮戦争の休戦・インドネシア独立戦争・キューバ危機などの話が出る。
哲ちゃんは平和に関心が強く、国際情勢について話し、意見も言う。
私は、テレビのニュースで知っている程度なので、感心しながら聞く立場だ。
戦争と聞けば、子どもや女性が被害に会う姿が目に浮かび、戦争が無いことを祈る事しか出来ないでいた。
25日の午後、何時もより多いJRCのメンバーと自転車をこいで、クリスマス会のため養護施設に向かう。
子ども達が会場に集まったので、「大ーきなツリーの木の下でー、あなたとわたしー」と歌いながら、クリスマス会を始める。
そこに、学生服を着た数名のの工業高校の男子高校生がやってきた。
子ども達とは顔見知りらしく、すぐ打ち解けて歌ったりゲームを楽しむ。
その中に、中学の時、同じく組になったことのある弘君の姿を見つけて、懐かしく嬉しくなった。
片付けが終ってから声を掛けようとしたが、残念ながらみんなと帰ってしまっていたので、がっかり。
秋から、瞳ちゃんは同じ高校のバスケット部の男子と交換日記を始めていた。
時々見せてくれたノートには、クラブ活動の様子などが書かれていた。
羨ましい反面、同じ高校に交換日記をしたい男子はいないので、「相手がいないんだから、まあいいかー。」と思っていた。
が、今日は、弘くんと出合ったとたん、「交換日記が出来たらいいなー。」と、クリスマス会の途中なのに思いついたのだ。
残念ながら、今日は話せなかったけど、今度会うかもしれないから、その時は話そうと決めた。
工業高校のJRCの男子達は、バリカンを使って男子児童たちの散髪に来ていると聞いた。
私は、最近、近くの美容院でアルバイトをしているが、掃除やパーマネント用の髪を巻くプラスチックのロッドと輪ゴムを手渡す手伝いをしている。
カットを見ていて、私には無理のように思う。
母も、「看護婦と美容師は、危ない事が起こりそうだから無理かもねー。」と笑いながら言うが、私も本当にその通りと思っている。
弘くん達がバリカンで散髪することを聞いて、すごいと感じる。
益々、弘くんと親しくなりたいと思い、再会が待ち遠しくなった。
  

Posted by トンコおばあちゃん at 09:18Comments(0)

2015年11月05日

第90回 昭和37年晩秋 きつねの嫁入り


秋も深まり、木の葉が色づく。
学校の授業や高校生会が終った時、時々番長と一緒になり、おしゃべりをしながら帰宅する。
間もなく、北の方の花岡で、「きつねの嫁入り」の行列が行われると聞いた。
「私、まだ一度も、『きつねの嫁入り』を見たことないんよ。」と言う。
「そうかー。じゃあ連れて行ってやるわー。」と、番長の返事。
当日、私が自転車で彼の家に誘いに行ってから、見物に行く約束をした。
11月の初めはさほど寒くなく、快い風を感じながら進み、自転車置き場に自転車を置いてから、花岡駅に向かう。
旧山陽道は、見物客でいっぱいだ。
番長は、友達に声を掛けられて、話をしながら進む。
その時、行列が来たらしいが、大勢の人で見えにくい。
白い顔のきつねのお面を被った花嫁と花婿のきつねの姿が目に入った。
きつねの花嫁と花婿は、乗り物に乗っているらしく、他の行列の人より高いので見えるのだ。
みんな行列に付いて行きながら、見物しているので、私も付いて行く。
しばらくして、番長とはぐれた事に気がついた。
前後左右をキョロキョロ見回しても、彼の姿を見つけることが出来ない。
まわりの流れについて行くと、花岡駅に着いた。
道路の端を通って、自転車置き場に帰ることにした。
彼の自転車はちゃんと自転車置き場にあり、30分位待っても、彼は現れない。
探しているに違いないと思ったが、じっとしていたからか寒くなってきたので、帰ることにした。
初めて、約束して出かけたのに、なんということだ!
しかたない。
「先に帰るわ。」とメモを残したかったが、用意していないので出来なかった。
次の日、学校の帰りに校門の辺りを、彼を待ちながらゆっくり歩いていると、彼が大股でやって来た。
「昨日は、先に帰ってごめんね!」と言うと、「俺も友達と話しちょって悪かったのー。」と。
「初めて、きつねの花嫁と花婿を見られてえかったよー。」などと話しながら、ぺタルをこいで帰宅した。
少し残念だった思い出だ。  

Posted by トンコおばあちゃん at 22:52Comments(0)

2015年11月01日

第90回が遅れてごめんなさい

パソコンの調子が悪くなりましたが、私は、パソコンに詳しくないのでなおせませんでした。
手助けを得て回復したので、間もなく次の記事を掲載致します。よろしくお願い致します。
ラムネ屋トンコ  

Posted by トンコおばあちゃん at 09:39Comments(0)