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2017年09月30日

第104回 昭和38年晩秋 ひとみちゃんの下宿

第104回 昭和38年晩秋 ひとみちゃんの下宿
高校3年の秋、近くに住む親しいひとみちゃんの両親が、仕事の関係で引っ越された。
ひとみちゃんは、引っ越し先から遠くて高校へ通学出来ない。
そこで、知り合いのおばさんの家へ下宿することになった。
おばさんは独り暮らしで働いていて、時々出張があり留守になるそうだ。
「おばさんが留守の時、としちゃん泊まりに来てね。」とひとみちゃんが言う。
「ひとみちゃんと一緒に勉強するから、泊まりに行くね。」と家族に伝えて、翌朝の通学の用意をして泊まりに行く。
ひとみちゃんの両親と下宿先のおばさんを、両親はよく知っているので心配していない様子。
時々映画上映をやっている市立公民館の近くに下宿先がある。
常設の映画館が遠くにあるが、観たい映画をなかなか上映しない。
テスト前にかぎって、話題の観たい映画「雨にうたえば」「なぎさにて」などを公民館で上映していた。
テスト前勉強は早く終え、映画を観に行きとても嬉しかった。
この時の楽しみが忘れられず、先になって、てっちゃん達と「映画同好会」を作った。
「ベンハー」などの観たい映画の上映会を開くことになり、前売り券を売りさばくのが楽しかったが忙しかった事を思い出す。
校則で、「外出時は制服着用」と決まっていたが、目だつので私服で公民館に出掛けた。
制服を着ていない男子学生を見かけたが、互いに見て見ぬふり。
ひとみちゃんも短大を受験するとのことだが、勉強はほどほどにしている様子だった。
お琴や映画などの楽しみや、交換日記などを大切にしているようだ。
泊まりに行った時、交換日記のページをパラパラとめくって見せてくれる。
私は養護施設で弘君と再会して、交換日記をしようと願っていた。
ひろさん達と毎週休まず施設に通っているのだが、残念ながらまだ会えず、交換日記は実現していない。
私はにが手な音楽(声楽とピアノ)、毎週施設に行って子ども達と遊びその後一緒に勉強すること、そして高校生会と割と忙しかった。
保育科の受験科目は少なかったので、高校生活をエンジョイ出来た。



Posted by トンコおばあちゃん at 10:07│Comments(0)
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