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2016年04月18日
第96回 昭和38年6月 子ども運動会
高校3年の梅雨の前、教会の日曜学校で、子ども運動会が開かれ、高校生会も参加する。準備体操の後、紅白に分かれて、かけっこ・借り物競争・障害物競走・スタンツゲームなどがあり、私達高校生も道具の出し入れの係を引き受ける。
中でも一番盛り上がったのはスタンツゲームで、私は好きだった。その頃、キャンプ・親睦会・小運動会などのレクレーションの時、「スタンツゲーム」が流行っていた。寸劇・ゼスチャー・歌・踊り・演奏など、グループに分かれ決められたテーマにそって短い時間で相談準備し、発表するゲームだ。
その日のスタンツは、新聞紙・人形・風呂敷・ひもなどが用意してあり、仮装をするものだった。
高校生数人の私達赤グループは、背の高い男子をお母さんにして、赤ちゃんをおんぶしている仮装に決定。新聞紙に穴を開けたりちぎったりし風呂敷も使って衣装を作り、ひもを使い彼に着せた。次に、大急ぎで人形の赤ちゃんを背中におんぶさせて、やっと出来上がった姿を見ると、背中の人形の赤ちゃんがひっくり返っている。白組の仮想は、私達に似ているが丁寧に出来ていて、ちゃんと赤ちゃんをおんぶしている。
説明の時間もゲームのうちで、マイクに慣れている私が引き受けることになった。「ミナサーン。ワタシ、ネパールカラーキマシター。ワタシタチノクニデハー、コノヨウニーアカチャンヲーセオイマース。」「シログミーノー、アオジローイカオトーチガッテー、ケンコウテキナーアカーイホッペノーアカチャンヲーミテクダサーイ。」「コノオンブヲー、ニホンノーミナサンニーオススメシマース。」と、私は考えながらゆっくり話す。
赤組の出来上がった姿を見た時、ネパールの赤ちゃんが背負子におんぶされている姿が目に浮かび、そっくりだった。急だったので、文章を考えながら、ゆっくりしか喋れなかった。終るやいなや拍手喝采で、赤組が勝ち、グループのみんなは大喜びで飛び上がる。
その後も、準備や片づけを楽しくスムースにやってのけ、無事小運動会は終る。
私は、愉快で激しすぎない運動やゲームが好きなことを再自覚した。
Posted by トンコおばあちゃん at 10:36│Comments(0)
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