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2014年02月06日

第20回  昭和30年春 4年生は男女仲良し

第20回  昭和30年春 4年生は男女仲良し
4年生になって、担任の先生が代わりましたが、クラスの子ども達は同じで、3年の時よりみんなが仲良しになりました。
お手玉やおはじきやゴムとびを男女一緒に遊びます。
男子の遊びに、女子も入れて貰いました。
まず、2階から1階への階段の手すり滑りは、スリルもあり楽しいので流行しました。
すると、「今年の4年生女子は、おてんばすぎる。」
「手すり滑りは危ないから、やめましょう。」と先生達の声です。
茂子ちゃんと母里子ちゃん達と「これが滑りおさめよー。」と言って、先生の目を盗んで滑りました。
「怪我をしたら大変。」と、先生にきびしく叱られてしまいました。
校庭では、桜の花は散ったけれど、若葉が輝いている木のそばで、男子が馬乗り遊びを面白そうにしています。
さっそく、私達女子は馬乗り遊びに加わりました。
まず女子が校舎の板壁を背に脚を広げて立ち、男子がその脚の間に頭を入れて馬になります。
馬になった男子のお尻に、つぎの女子が頭を入れて馬になります。
その次は男子というふうにして、10人の長い馬ができました。
もう一方のグループが跳び箱のように、長い馬に乗っていきます。
全員が乗ったら、前に立っている女子と乗っている一番後の子がじゃんけんをして、負けたほうが次ぎに馬になります。
「あー、なんてことを!」「女子が馬乗りをするなんて!」「危ないからやめなさい!」と先生達はあきれ顔。
しかし、私達女子は手すり滑りや馬乗りで怪我をしたことは、一度もありません。
しかたなく、あきらめました。
また時々、男子が、私の家に遊びに来るようになりました。
我家の製造場の裏にあるラムネビン捨て場で、ラムネ玉を拾うためです。
裏のビン捨て場からガラガラという音がすると、「危ないからやめるよう言いなさい。ラムネ玉を分けてあげなさい。」と、いつも決まって、父が私に言います。
10個ずつ男子達に渡すと、いつも決まって「ラムネ玉ゲームをしようやー。」と言います。
まず、それぞれがラムネ玉を、大きい石に落として遠くへ飛ばします。
一番遠くまで飛んだラムネ玉の持ち主が、その玉で他の玉に当てます。
当たるとその玉が貰えて、当たらない時は、次に遠い玉の持ち主が、他の玉を狙います。
手持ちのラムネ玉が無くなったら負けで、玉が多い方が勝ちです。
また、三角形を地面に描いて、その中にラムネ玉10個位入れて、自分の持っている玉で投げ当てます。
ラムネ玉を三角の外に出したら、その玉が貰えるゲームも、みんな好きでした。
私はいつもラムネ玉で遊んでいるので、上手だから必ず勝ちます。
「左手でしようやー。」と、誰かが言います。
やっぱり、私の勝ち。
ゲームを楽しんでいると、ラムネ作りの手伝いのおばちゃんが、炭酸ガスが不足してラムネ玉が上らない、不出来のラムネを持って来てくれます。
売り物にならない少し気の抜けた甘いラムネは、男子に人気がありました。
「ラムネ飲み競争をしようやー。」と、また男子。
やっぱり私が勝ちます。
それでも男子は、ごきげんで帰って行きます。
我家にラムネ玉を取りに来たのが分かると、お母さんに叱られるからか、ラムネ玉を持って帰りません。
我家のラムネ玉は増えこそすれ、減ることはありませんでした。
後で分ったのですが、ラムネ玉のゲームで、男子はわざと私に、負けていたらしいのです。
姉にそのことを話した後、「でも、ラムネ飲み競争は、わざと負けたんじゃあないよ。」と、付け加えました。
「ラムネを早く飲めることは、自慢にならんよ。」と、姉はピシリと言いました。
私はちょっとがっかり。
一方、4年生の先生達は、女子のおてんばがどうすればなおるか、頭を抱えているらしいのです。
先生達は何度も学年会議を開いて、対策を考えているようでした。




Posted by トンコおばあちゃん at 10:50│Comments(0)
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