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2015年01月14日

第80回 昭和36年秋 クラブ活動に誘われて

第80回 昭和36年秋 クラブ活動に誘われて
高校1年2学期、大学受験のための課外授業を、一回限りで休んだので、「サボってるなー。」と言う目で、数人の男子に見られた。
「進学をやめたのよ。」と言い続けていると、見られることも無くなりホッとした。
しばくして、隣の中学から入学したキヨさんとひろさんに、JRCのサークルに誘われた。
Junior Red Croos(青少年赤十字)の略で、以前被爆少女サダコさんに千羽鶴を折って送ったグループと分かった。
目の不自由な人達との交流のために点字や手話を学んだり、校内の芝生の手入れ、養護施設訪問など、週1回活動するようだ。
今で言う、ボランティア活動のようなものだった。
早速、放課後参加してみると、あいうえおの点字表と点字板が置いてある。
点字は、ローマ字の形式で表すので、目で見て読めそうだが、指で触って読むのは難しそうだ。
次の時は、手話の指文字のプリントを見ながら、すでに身につけたキヨさん達が教えてくれた。
点字も手話の指文字も、初めは新しく珍しいことなので、興味を持ったが、放課後学ぶのは疲れを感じる。
続けていると点字も指文字もどうにかゆっくりだと出来るようになったが、これでは実際役立たないと思うし進歩もしない。
校内の芝生に生えた雑草を抜いたり、水を撒く活動は好きで、他のメンバーよりも長い時間できて、気分爽快になる。
放課後疲れていても、好きな事は細かいことでも出来るが、苦手な事には集中できず身に付かないと、自覚する。
結局、課外授業も勉強が好きではないから、集中できないのだと納得した。
次に、卓球部に誘われた。
JRCの活動日は、休んでもいいらしいので、入部してみる。
準備体操の後は、先輩が打ち合っているのを、見学したりボール拾いをする。
それが終ると、新入部員は素振りの練習を始め、先輩が指導してくれる。
以前てっちゃんや靖くんと卓球をした時、上手に打ちたいと思っていたので入部したのだが、先輩が教えてくれるので、ありがたい。
大学進学を止め課外授業を受けないので、いろんなことが出来るのが良いな。
毎年、生徒会主導で秋の体育大会が行われるが、赤豹・白虎・青龍の3チームに分かれて、いろんな競技を競う。
数日前から、高さも横幅も10メートル位ある赤豹・白虎・青龍のとても大きな立て看板を、上級生が作り始めたので驚いた。
各競技には、希望者が出ればよいので、その点は嬉しい。
プログラム最後の盆踊りを、踊りの先生が教えに来てくれた。
体育大会の準備は自主的に行われ、私にとって高校生活の中では、クラブ活動以外で珍しく楽しい事だ。
当日は、各競技もだが、応援合戦では特に盛り上がった。
一つだけ気になったのは盆踊りで、しっかり覚えていないので、まごつくことが多く、自分も周りを見ていても楽しさに欠けたことだ。
その頃、母は近所の人と、日舞の先生から、盆踊りや民謡や流行歌などの軽い感じの新舞踊を習い始めた。
私も、親しいしずちゃんと一緒に、「さくらさくら」の踊りから習い始めた。
これが難しく感じないし気分も良いので、次の体育大会で楽しく踊れるためにも続けることにした。
私は体を大きく動かす事が好きだと、再自覚した。




Posted by トンコおばあちゃん at 09:24│Comments(0)
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