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2015年04月13日

第86回 昭和37年初夏 高校野球の応援団

第86回 昭和37年初夏 高校野球の応援団
高校2年の梅雨の晴れ間、山の高校のグランドは大きくないが、野球部・庭球部・陸上部・籠球(バスケットボール)部・排球(バーレーボール)部などが、所狭しと活動している。
卓球部の活動の前後に、体育館を兼ねた講堂の窓から、グランドの運動部の男子はかっこいいと思いつつ、私は時々眺めている。
生徒会の委員会が開かれるので、3年の教室にクラスの委員が集まった。
「議題は高校野球の応援についてです。」と、議長が告げた。
毎年、生徒会と応援団が中心になり、1・2年生を半強制的に集めて応援の練習をし、県大会当日応援に行く。
昨年のように7月の昼休憩時と放課後、講堂で応援の練習をすることに決まった。
「今年は、応援団に女子が加わるといいな!」と、3年男子が発言したので、「賛成。」と私は手を挙げた。
すると、議長が期待を込めて、「是非、君達が応援団に加わって下さい。」と、私の方に投げかけたが、周りの女子は手も首も横に振る。
急の事で戸惑ったが、私は応援団に参加してくれそうな友達の顔が浮かんだので、「参加者を探してみます。」と応えた。
議長は、「よろしく。」とにこやかな声だ。
すぐ、幼稚園も小中学校も一緒だった茂子さんのいる、女子クラスに向かった。
「野球の応援団に、女子が参加してほしいんじゃって。私も参加するから、一緒にしようやー。」と伝えた。
「ええよ。一緒にやるわー。」と、茂子さんは笑顔だ。
友達も誘ってくれたので3人になったが、スポーツが好きであっさりしていて女っぽくない性格の様に思う。
普通科男女クラスの教室の男子集団は苦手だが、購買部で買い物をする男子には慣れてきたから、私は応援団も大丈夫と感じた。
応援団の3年男子と2年男子10数人位が、私達を笑顔で歓迎してくれて、さそっく応援のやり方を教えてくれる。
両手を上やななめに上げたり下ろしたり、ぐるっと回したりで、手旗は持たないが、手旗体操のようだ。
動きは簡単のようだが、順番を覚えたり皆と合わせることに注意しながら、夏休み前の全体の応援練習の準備をした。
中間テストの前、「欠点を取ったら、再テスト受けるのに1科目1、000円必要じゃから、親の機嫌が悪いんよ。」
「テスト勉強を一緒にしようやー。」と級友に誘われたので、放課後教室に残り、数人で数学・英語など教えあったり、予想問題を書き出して覚えることにした。
幸い私も思ったより良い点が取れたし、欠点を取る友達がいなかったので、期末テスト前も数人で頑張る。
「欠点なかったから、小遣いを貰えそうなんよ。誕生会をすることにしようやー。」と、級友から提案があったので、楽しみが増えた。
期末テストが終った日から、数日間全校生徒の野球応援練習が続くことになる。





Posted by トンコおばあちゃん at 12:00│Comments(0)
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