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2014年07月14日

第64回 昭和35年春 馨先生との別れ(2)

第64回 昭和35年春 馨先生との別れ(2)
中学2年のお別れ茶話会の始まる1時に、馨先生もハヤト君も男子も女子も全員集まり、プログラムもスムースに進み、先生も喜んでくれた。
しかし、詳しくは思い出せない。
と言うのも、まだ亡くなったばかりの真知子ちゃんのことが私の頭の中にあったので、お別れ会の記憶はうすいのだ。
「中学卒業後、クラス会をしよう。」と約束できた事は良かった。
唯、一つだけ残念な事を思い出す。
テストの答案を先生が返してくれる時のことだ。
100点を取ったり、最高点を取ったクラスメイトを、先生が発表して答案用紙をかえしてくれ、みんなは大きい拍手をする。
その次に、先生は他のクラスメイトの名前を呼び、答案用紙を返してくれるので、みんなは順番に用紙を受け取りに行く。
用紙を受け取った後、男子の何人かは席に帰る途中、わざわざ遠回りをして、最高点を取った男子の頭を撫ぜに行くのだ。
「やったね!」とか「すごいぞ!」と言って、優しく撫ぜた後、乱暴に撫ぜている。
時には、優しく撫ぜた後、げんこつを落とす事もあり、私はひどいと感じる。
そんな時、げんこつを落とされた弘君は痛いのだろう、自分で頭を撫ぜているが、気にしている様子もなく、すぐ後の休憩時ふざけたり笑っている。
男子のことを不思議と思っていた。
だから、茶話会の時、弘君に「げんこつを落とされた時、平気なの?」と確かめたかったのだ。
亡くなった真知子ちゃんことが頭の中にあったからか、聞くのを忘れていて、その後も聞く機会がなかった。
3月末、教育委員会から、学校の教職員の移動の発表があった。
なんと馨先生が、笠戸島の中学に転勤される事が分かり、私もクラスメイトもがっかりした。
しかし、「お別れ茶話会をして、中学卒業後のクラス会を開く約束が出来て良かったね。」と話し合った。
私は、二つの別れがあり、珍しく元気の無い春休みを過ごした。




Posted by トンコおばあちゃん at 12:15│Comments(0)
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